London
London '99

弦楽器ディーラーのお仕事とは?


「ハンマープライスガール」

’99 7月 Bond Street 9:00 a.m.教会に入って時間をつぶす。「あぁ・・。心が洗われる・・・。」

昼間は人であふれ返るこの通りも、この時間だとさすがに人は少ないようです。それでも通りを曲がり曲がって小さな通りへと入っていくと、あちこちのオープンカフェから、本日一杯目の、淹れたてコーヒーの香りが・・・。

私の目指す場所は35 St.George St. HanoverSquare にある、世界的弦楽器ディーラー Mr. Peter Biddulph のオフィス。
彼に会うのは、私が依頼を受けたバイオリン:J.B.Guadagniniの鑑定をしてもらうためである。ここへはRussell SquareにあるB&Bホテルを出て、地下鉄を使って30分足らず。10:00a.m.の約束なのにどうやら早く来過ぎてしまったようです。

というわけで、近くのオープンカフェへ行って、お茶しましょう。

遠くにタワーブリッジが見える。滞在中のロンドンは毎日こんな青空でした。店内に入ってコーヒーを頼もうとすると・・・朝っぱらから東洋人が来てちょっと驚いた様子で、店のご主人-「Ciao!」
周りの常連さんらしいおじさん達にならって、私もコーヒー片手に何紙も用意されたゴシップ記事中心の新聞を眺めてみる。

「イギリス人も好きだなぁ・・・。」なんて思っていると、通りの真向かいの有名なオークションハウス「サザビーズ」の建物からパンツスーツ姿の女の子がお店にとびこんで来た。「おじさん早く!」と言ってサンドイッチとコーヒーを紙袋に詰めてもらうと、にっこり微笑んでとんぼ返り。

そんな彼女の早わざに見とれているうちに、そろそろ約束の時間です。
少し残った冷めたコーヒーをクイッと流し込み、バイオリンを大事に抱えて、いざ、Peterさんの所へ・・・・。

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